
「吾道一貫」は、孔子の「吾道一以貫之」と言う言葉に由来する。
「吾道一以貫之」の意味するところは、『人間の正しい在り方とは、人生のいかなる場面においても「仁」即ち「忠恕」の精神を貫くことだ』ということである。
「仁」とは、現代的な言葉で説明すれば「社会人としての自覚を持って行動すること」であり、これを具体的な行動目標に書き換えれば「忠恕」となる。「忠」とは「自己の社会的責任を誠実に果たすこと」であり、「恕」とは「他者の情状を思いやり許容すること」である。
この人間として果たすべき社会的責任の第一は、自立した人間として共に生きる仲間達に迷惑をかけないよう自己を律することである。しかし、これだけを果たしても社会的責任をすべて果たしたことにはならない。共に生きる仲間達に何等かの貢献をしてこそ自己の社会的責任を全うしたことになる。即ち、「忠」とは自己を律し各々の立場に応じた社会貢献を行うことである。とは言え、人間は完全な存在ではないので、どんな人間にも充分に社会的責任を果たせない場合がある。もし、それが自己であるなら厳しく反省し改善を期するべきである。しかし、それが他者であるならば、何等かの仕方のない事情があったのではないかと思いやり、不備を責めることなく仲間として共に改善の方途を探すべきである。これが「恕」の精神である。
学校法人明星学園浦和学院高等学校創立の目的は、こうした「忠恕」の精神を貫き社会に貢献する「吾道一貫」の人を育成することにある。

社会生活とは、時間や場所を共有し役割を分担することで成立する。そうした社会生活を成立させるためには「今がどのような時か、此処はどのような場所か、自分はどのような立場か」を判断し、それぞれの時・所・位に相応しい行動をとらねばならない。
「克己」とは、多くの仲間達と共に生きていくために自己本位な欲望を制御することであり、仲間と共生する社会人として生きるための手段となるものである。
人間は一人では生きていけない。どんなに強い力を持つ人間も、一人で強くなったわけではない。その強さを得るに至るまでには両親を始めとする多くの人達の支えがあったはずである。
「仁愛」とは、自分が多くの仲間に支えられて成立していることを自覚し、自分も仲間を応援し支える者となろうとする気持ちであり、仲間と共生する社会人であることを目指す動機となるものである。
厳しい自然の中で生きる動物達は「ただ生きる」だけで精一杯である。社会を形成し協力することで生活を安定させた人間は「よく生きる」ことを目指すようになった。つまり、共に生きる仲間達と手を携えることで、人間は各々の夢や希望を追求することができるようになった。
しかし、どんなことを達成し、どんなものを所有したとしても、それを是と認め共に喜ぶ仲間がいなければ真の幸福とは言えない。真の幸福とは、単に自己の希望を実現することではなく、自己を「共に生きるに値するかけがえのない存在」と認めてくれる仲間を得ることである。
「共生」とは、共に生きる仲間を得ることであり、人生の目的である幸福の前提条件であるとともに最上の幸福である。すべての人間が仲間意識を持って「共生」することを希求する。

「夢と希望に満ちた明るく開けた学園」が当校の目指すところです。特徴的な教育カリキュラムは私学ならではの新しい試みを盛り込み、入学時の希望よりも上のランクの進学を生徒の個性に合わせて指導し、国際教育に力をいれ、常に進歩を目指す文武両道の浦学の校風が定着しつつあります。この一年間で新食堂棟に加え、文の象徴の新図書館(通称「アルト」)と、武(部)の象徴として新体育館(通称「ユージアム」)が次々に完成したのも、浦学の「常に前進」の姿勢を具体的に示すものです。「頑張る仲間を皆で応援」の合言葉で「浦学ファミリー」を構成する生徒たちの明日がとても楽しみな今日この頃です。
医学博士
学校法人明星学園理事長、同学園浦和学院高等学校長、同学園健康科学センター長、同学園MJG心血管研究所長
【略歴】
日本大学医学部卒業(1962年) 国立病院東京医療センター(旧東二)研修医を経て、日本大学医学部第二内科入局。
米国ノースカロライナ大学心臓内科勤務(1980〜1982年)、帰国後日本大学医学部助教授を経て、同医学部内科学教室教授。
2001年同医学部定年退職後、日本大学総合科学研究所教授、医学部客員教授などを歴任。
【資格】
日本循環器学会専門医、日本心臓病学会特別正会員、Fellow of American College of Cardiology(FACC)、Member of New-York Academy of Science、中国新疆医科大学客座教授、上海遠大心胸専門病院特別診療顧問、その他各種学会役員。